普通の一般人の感想ですが、むちゃくちゃ感動したのでまとめておきます。
以下しっかりネタバレですので、観てない方はそっと閉じてください。
坂本さん演じるアーサー王の優しさ。
それが坂本さん自身からにじみ出るようなものがあり、あたたかく、会場にいた人たち全員がその優しさを受け取り、アーサーに返す、そんな雰囲気があったように思う。
法律で取り決めを作り幸せに暮らすこと。
それはマーリンから言われた「考えることをやめてはいけない」の答えの先にあるものなのだろうと思った。
一見良い考えだと思うことも、それで本当に良いのかとまた悩み始めるアーサーは優柔不断にも見えるが、常に他の誰かのことを考えられる優しい性格なのが良く分かるシーンだった。
そんな考え続けるアーサーのそばにいたグィネヴィア。
朗らかではつらつとしていて、明るくて前向きで、そりゃぁ誰からも愛されるよな・・・と、思わざるを得なかった。物怖じせず色んなことに興味を持ち、行動力のある彼女は、女性としての魅力が詰まっていた。
ランスロットはアーサーの右腕として活躍するも、グィネヴィアと恋仲になる・・というのはあらかじめストーリーを分かって観ていたが、それでももう、辛くてたまらない。
中でもランスロットがグィネヴィアに引き留められるシーンでは、ランスロットの目から大粒の涙が、頬を伝い舞台にボロボロと落ちていくのを見た。青い瞳が涙で潤み真っ赤に染まっていて、鳥肌が立った。
アーサーはグィネヴィアとランスロットのすべてを知っていながら、後に赦すことになるのだが、それが王としての器の広さなのか、と「らしい」一面を目の当たりにして胸が締め付けられた。
この物語のなかで、本当の意味で悪者はいたのかと、観終えてからしばらく考えていた。
グィネヴィアはアーサーもランスロットも同じように愛していたし、自分に無いものを持つ2人を尊敬していた。
アーサーはグィネヴィアもランスロットも、どちらも大切すぎて選べなかった。決して人を責めなかった。
ランスロットの真っ直ぐすぎる不器用な愛も、アーサーを慕う心にも、嘘がない。
モルドレッドも一見かき乱しているようだが、彼なりの正義で、間違ったことを正そうとしていたのではないか。
(どうしても言いたいのだけど、入野自由さんあなたは何者です?!舞台に明るくない私だから、ハクの要素を探そうとした浅はかな私。反省。オーラから溢れ出るヴィラン感、何より歌がどちゃくそに上手い。2幕に訪れるファンタジー要素の要だった…本当に凄かった。ぜひまた観たい…)
最後。アーサーがひとりの若者トムに「言葉」を託した最後のシーンは圧巻だった。
ペンは剣よりも強し、そんなことばが頭を過った。
全ての言葉に感情移入してしまい、気づいたら1人でぼろぼろと泣いていた。
物語をもっと知りたい。原作を読んでもっと考えてみたいと思った。
アーサー王を演じた坂本さんの演技、初めて拝見したのですが、圧巻の一言。
低音から始まる曲も発音がはっきり聞こえて、音程もズレか全くない。コミカルな動きのある青年の頃、威厳をまとう、歳を重ねたアーサー王。ずっとミュージカル界でご活躍されているのは知っていたけれど、照史くんがきっかけで今回観られたこと、本当に嬉しかった。一生忘れられない演技を見た気がした。
照史くんのランスロット、若々しくて血の気が多く、騎士としての自信に満ち溢れているが、一方であまりにも不器用すぎる愛がもどかしかった。恋に落ち、動揺する様子、アーサーを守ろうとする強い意志、場面ごとに細かく揺れ動く感情の起伏を演じきっている照史くんは、本当にかっこよかった。照史くんの生まれ持った歌の感性から繰り出される音に感情が乗っかって、舞台に立つ人だ・・・とライブからは考えられない一面にドキッとさせられっぱなしだった。
それから、私は吹奏楽をやっていたので今回生オケをめちゃくちゃ楽しみにしていた!オーケストラのみなさんたちにも拍手を送りたい。
チューニングを始めた時のあのドキドキ感、たまらない。美しく荘厳な音楽、日常からかけ離れた世界へ連れ出してくれた。
カーテンコールでのオーケストラのみなさんのお手振り、可愛かったです😊
さいごに。
カーテンコールで何度出てきてもずーっとランスロットだった照史くんが最後、フッと流し目で笑ってパッと手を振った瞬間の、会場の気温が上がったあの瞬間、絶対に忘れない。
記憶にあるうちにとバーッと書いているので、また修正するかもしれないけれど、
ひとまずこの辺でキャメロットの感想としたいと思います。
どうか最後までもう折り返し、大阪公演を完走できますように!
素晴らしい舞台をありがとうございました👑