キャメロットを観劇して
普通の一般人の感想ですが、むちゃくちゃ感動したのでまとめておきます。
以下しっかりネタバレですので、観てない方はそっと閉じてください。
坂本さん演じるアーサー王の優しさ。
それが坂本さん自身からにじみ出るようなものがあり、あたたかく、会場にいた人たち全員がその優しさを受け取り、アーサーに返す、そんな雰囲気があったように思う。
法律で取り決めを作り幸せに暮らすこと。
それはマーリンから言われた「考えることをやめてはいけない」の答えの先にあるものなのだろうと思った。
一見良い考えだと思うことも、それで本当に良いのかとまた悩み始めるアーサーは優柔不断にも見えるが、常に他の誰かのことを考えられる優しい性格なのが良く分かるシーンだった。
そんな考え続けるアーサーのそばにいたグィネヴィア。
朗らかではつらつとしていて、明るくて前向きで、そりゃぁ誰からも愛されるよな・・・と、思わざるを得なかった。物怖じせず色んなことに興味を持ち、行動力のある彼女は、女性としての魅力が詰まっていた。
ランスロットはアーサーの右腕として活躍するも、グィネヴィアと恋仲になる・・というのはあらかじめストーリーを分かって観ていたが、それでももう、辛くてたまらない。
中でもランスロットがグィネヴィアに引き留められるシーンでは、ランスロットの目から大粒の涙が、頬を伝い舞台にボロボロと落ちていくのを見た。青い瞳が涙で潤み真っ赤に染まっていて、鳥肌が立った。
アーサーはグィネヴィアとランスロットのすべてを知っていながら、後に赦すことになるのだが、それが王としての器の広さなのか、と「らしい」一面を目の当たりにして胸が締め付けられた。
この物語のなかで、本当の意味で悪者はいたのかと、観終えてからしばらく考えていた。
グィネヴィアはアーサーもランスロットも同じように愛していたし、自分に無いものを持つ2人を尊敬していた。
アーサーはグィネヴィアもランスロットも、どちらも大切すぎて選べなかった。決して人を責めなかった。
ランスロットの真っ直ぐすぎる不器用な愛も、アーサーを慕う心にも、嘘がない。
モルドレッドも一見かき乱しているようだが、彼なりの正義で、間違ったことを正そうとしていたのではないか。
(どうしても言いたいのだけど、入野自由さんあなたは何者です?!舞台に明るくない私だから、ハクの要素を探そうとした浅はかな私。反省。オーラから溢れ出るヴィラン感、何より歌がどちゃくそに上手い。2幕に訪れるファンタジー要素の要だった…本当に凄かった。ぜひまた観たい…)
最後。アーサーがひとりの若者トムに「言葉」を託した最後のシーンは圧巻だった。
ペンは剣よりも強し、そんなことばが頭を過った。
全ての言葉に感情移入してしまい、気づいたら1人でぼろぼろと泣いていた。
物語をもっと知りたい。原作を読んでもっと考えてみたいと思った。
アーサー王を演じた坂本さんの演技、初めて拝見したのですが、圧巻の一言。
低音から始まる曲も発音がはっきり聞こえて、音程もズレか全くない。コミカルな動きのある青年の頃、威厳をまとう、歳を重ねたアーサー王。ずっとミュージカル界でご活躍されているのは知っていたけれど、照史くんがきっかけで今回観られたこと、本当に嬉しかった。一生忘れられない演技を見た気がした。
照史くんのランスロット、若々しくて血の気が多く、騎士としての自信に満ち溢れているが、一方であまりにも不器用すぎる愛がもどかしかった。恋に落ち、動揺する様子、アーサーを守ろうとする強い意志、場面ごとに細かく揺れ動く感情の起伏を演じきっている照史くんは、本当にかっこよかった。照史くんの生まれ持った歌の感性から繰り出される音に感情が乗っかって、舞台に立つ人だ・・・とライブからは考えられない一面にドキッとさせられっぱなしだった。
それから、私は吹奏楽をやっていたので今回生オケをめちゃくちゃ楽しみにしていた!オーケストラのみなさんたちにも拍手を送りたい。
チューニングを始めた時のあのドキドキ感、たまらない。美しく荘厳な音楽、日常からかけ離れた世界へ連れ出してくれた。
カーテンコールでのオーケストラのみなさんのお手振り、可愛かったです😊
さいごに。
カーテンコールで何度出てきてもずーっとランスロットだった照史くんが最後、フッと流し目で笑ってパッと手を振った瞬間の、会場の気温が上がったあの瞬間、絶対に忘れない。
記憶にあるうちにとバーッと書いているので、また修正するかもしれないけれど、
ひとまずこの辺でキャメロットの感想としたいと思います。
どうか最後までもう折り返し、大阪公演を完走できますように!
素晴らしい舞台をありがとうございました👑
ザ・ビューティフル・ゲームを観劇して
正しさとはなにか。
強く問題提起され、ズシンと自分の中に落ちてきたザ・ビューティフル・ゲーム。
ジョンは優しくて、誰の気持ちにも寄り添える優しい青年だからこそ、彼が主人公であること、そしてそこから見えるベルファストの世界が人間らしさでいっぱいだった。
大切な親友でありチームメイトだったトーマス(舞台上で小瀧くんをも凌ぐ高身長に思わず2度見した)は、過激派組織のIRAに加入しテロに加担し、ずっと追われる立場となり最後は「明日生きていないかもしれない」という言葉を残して暗殺されてしまう。
ジョンとトーマスの対比が悲しくも美しい、でも悪は良くない、と、それだけで終わらせてはいけないような気がしてならなかった。
彼らはいつだって、時分が信じる「正しさ」に沿って生きていた。
荒れ狂う波のような内戦の時代に、それだけの強さを持っていなければ生きられなかったのだろうとも思う。
ジョンのように、危険をおかしてでも“友達”を助けたいと思うのも正義だし、ジンジャーが理不尽な理由で殺されてしまい、それがトリガーになり、“無駄な死”に漠然と怒りを覚え戦うのも正義なのだと思った。
ふと、自分の常識は他人の非常識だ。と学生時代の恩師の口癖だったことを思い出した。
誰かにとっての正義は、裏を返せば誰かにとっての良くないこと、なのかもしれない。
ジョンは誰に対しても揺るぎない優しさをもっていた。
メアリーは剣よりもペンを持つような聡明さがあった。
トーマスは、誰よりも強い自分の心を持っていた。
静かに、そして強く平和を願っていたジンジャーとバーナデット。
デルとクリスティンは、宗教でカテゴライズしない新しい考えを体現した。
舞台は1970年代、決して過去の話ではないベルファストの日常を切り取ったものだ。
今この国に生きていると、アイデンティティや宗教観を強く感じるシーンは少ないかもしれない。
だからこそ、揺るぎない自分の中での正しさを持っていた、ザ・ビューティフル・ゲームの登場人物には憧れと、人生への幸せを願ってやまない。
舞台の演出としてとても面白かった、ストップモーションを駆使した試合のシーン。
2階席から見ていると、切り取ったシーンの奥行きがとても面白かった!
女の子たちのガールズトークはずっと聞いていたいと思った!嫌いとかダサいとか言いながらも、支え合えるパートナーとなったジョンとメアリーのやりとり、どこを切り取っても可愛かったな…🤫
そして何より、ジョンの細かな表情の変化をいつまでも見ていたかった。バーでお酒を飲みまくるシーン、奥のカウンターで何を楽しそうに話していたんだろう🤭
色々と書いているが、実は恥ずかしながらミュージカルを見るという経験がほとんどなく、感情移入できるだろうかと不安だった。
でも、ミュージカルは耳にダイレクトに入ってくる音で感じる楽しさ、悲しさ、怖さ、喜び。そういうものがわかりやすく伝わってきて、一本の映画を見終えたような気持ちだった。
静かにツーっと涙が溢れだした。
改めて、また素晴らしい舞台に出会えたことに感謝して、誰かが思う、法律だけでははかり知れない「正義」を追求した今に、私も自分なりに精一杯生きていきたいと思った。
座長の小瀧くんをはじめ、キャストのみなさん、スタッフのみなさん、ザ・ビューティフル・ゲームお疲れ様でした!
中間担による神戸ロケ地巡り
仲良しの中間担と、念願の神戸ロケ地巡りをしてきました!
神戸に行ってみたいな~という方のお役に立てればな、、と思うので、山、街、海、すべて巡ったコースを紹介します。
今回は観光用のかわいらしいシティループバスを利用しました。中間課長も乗っていたあれです。
乗り放題の1日券が700円。
JR三ノ宮駅、東改札を出て右手に進んだところにある、神戸市総合インフォメーションで購入できます。(地図もお忘れなく)
観光スポットで様々な特典を受けられたりするので、おすすめです。
三ノ宮⇒北野エリア⇒旧居留地⇒南京町⇒ハーバーランド⇒三ノ宮
というコースです!
それでは、出発!
阪急電車とJRの駅高架の千鳥屋さん(みたらし小餅のお店です)の前から
緑色のシティループバスに乗ります。
まずは
大きな通りに出て少し坂を上ると、2021年のカレンダーロケ地の、神戸北野ホテルがあります。
近くで写真を撮るのも良いですが、向かいの通りから全景を撮るととっても綺麗でした✨
(向かいにあるレモンケーキ屋さんが美味しいのでおすすめ🍋)
先ほどのバス停に戻り
「8 北野工房のまち」⇒「10 北野異人館」
降りたところにあるのがラインの館。
カレンダーの照史くん、神ちゃんのところ。
ラインの館の向かいに見えるのが、ベンの家。
東向きで写真を撮ると、カレンダーと同じ画角になります。
ここから西向きに少し歩くと、大きな通りに当たるのですが、
そこを下ると、WESTの目撃情報があった北野のスターバックスがあります。
おしゃれで映えるので、いろんんなグッズたちと写真を撮ってみてください。
私たちはここからランチをしよう!となったので
そのまま少し下ったところのカフェレストランで休憩しました。
ここらへんは散策すれば至るところにおしゃれなカフェがあるので、楽しいです☕🍰
そのままさらにほんの少しだけ下ったところの
「9 北野坂」⇒「14 市役所前」
へ移動です!
ちなみに、この移動の間、淳太くんが訪れていたという布引ハーブ園や、新神戸駅を通過するので下車しても楽しいと思います。
新神戸駅は神ちゃんと淳太くんの「ごぶごぶ」出演時の神戸編スタート地点でもあります。
またレコメンで言っていた「懐かしい地下鉄のにおい」は、新神戸駅から直結している市営地下鉄へ向かうところで感じられます(笑)
新神戸から地下鉄で三宮まで戻るのも、オタ活っぽくてアリかもです。
市役所前を降りて、右手に進み、一つ目の角を海側へ。
しばらく進むとオリエンタルホテル神戸旧居留地、神戸市立博物館が右手に出てきます。
その向かいに!
レトロな電話ボックス。
Oggiで中間課長が電話していたところです。
私達がキャッキャしていると、カップルが声をかけてくれて、写真を撮ってくれました…
恥ずかしかったけどありがとう(笑)
すぐ近くの交差点を西側に進むと見えてくるのが、旧居留地十五番館。
ここもOggiのロケ地です。真っ白な外観が奇麗です✨
TOOTH TOOTH maison15thとしてレストラン営業されているので、利用するもの良いかもしれません🍴
ここからさらに西へ行くと南京町があります。
余談ですが、大丸神戸店の北側の通り、タクシー停留所付近から見える向かいの路面店に、照史くんの誕生日プレゼントに送られた時計の本店が見えます。遠くから、こっそりと🤭
次の目的地は、南京町に入って真ん中にある有名な豚まんのお店「老祥記」
こちらもOggiロケ地です。
前の広場にある丸い椅子が、豚まんを頬張る淳太くんが座っていた場所です🐷
南京町の食料品を取り扱うお店には、亀ゼリーもありました。
ここでまたプチ情報。
南京町を西側へ抜け海側へ行くと、照史くんがよく着用しているブランド
WTWの元町店があります。
https://www.wtwstyle.com/shop/pages/shop_motomachi.aspx
雑貨がめちゃくちゃ可愛くてお値段もお財布にやさしいし、虹モチーフのものもたくさんあり、ジャス民的にはかなりテンションのあがる場所だと思います🌈
元町エリアで私たちが寄った近くのジェラート屋さん。
その名も「yellow」、中間担には最高のスポットでした!
ジェラートもとっっってもおいしかった!
大丸元町店まで戻りロケ地巡り最後の目的地
「15 元町商店街(南京町前)」⇒「17 ポートタワー前」へ。
言わずと知れた神戸の映えスポット「BE KOBE」のモニュメント前です。
かみじゅんのごぶごぶで訪れていたところです。
神戸といえばこれ!という写真が撮れる場所だと思うので、時間があればモザイクまで足を伸ばしても良かったなぁと思います🎡
モザイクには、チーズケーキのお店「観音屋」があり、濵ちゃんのサインが今も飾ってあるはず、、、です。
「38 かもめりあ」⇒「42 三宮センター街東口」
最後のバスは、同じ一日乗車券で乗れるポートループバスに乗車。
かもめりあの乗り場は、フェリーの待合ビルを抜けた先にあります。
とっても楽しかった淳太くんにまつわる場所巡り、これにて終了です。
私はずっと神戸で育ったので、この魅力伝われー!という気持ちで書きました⚓✨
少しだけ離れますが、時間がある方は王子動物園もおすすめです☺️
山から海まで満喫できてしまう距離感が魅力の神戸ロケ地巡り、ひとつでも楽しめるきっかけになればいいな~、と思います!
一緒に巡ってくれたお友だち、ありがとう💛
とあるフレーズについての話。しらんけど。
全くメッセージ性のない曲、
真面目なトンチキソングとして3年の眠りから覚めた
「しらんけど」
私はどうしても気になるフレーズがある。
【心の垣根超えろ 知らんけど】
いや、めっちゃ深いやん!!!!!
とと思ったのは私だけだろうか?
そもそも、しらんけど、を使う間柄として、
ある程度曖昧な回答をしても問題にならない
くらいの関係性、が前提としてあると思っている。
その上で聞いてほしい、
「心の垣根超えろ しらんけど」
つまり
【しらんけどを使って、相手の懐に入れ】
というメッセージに聞こえてならないのだ。
なんというメッセージ性!✨
何度聞いても、このフレーズでぐっとくるようになってしまった上に、桜吹雪舞う春ソングときた。(神ちゃん談)
関西弁の常套句ともいえるしらんけど、が
この曲によって公式に全国デビューしたわけだが、
はじめましての人と多く出会う春に、
心の垣根を超えるための「知らんけど」は最高のフレーズだと思う。
しらんけど。超超超個人的見解だが、
心の垣根超えろ、知らんけど
ここ「だけ」は泣けるくらいに強いメッセージ性があると思ったので、書きました。
みなさんは、どうですか?笑
8年ぶりにジャニーズのライブに行ったジャス民の話
久しぶりのブログです!
2022年4月10日
日曜日の名古屋は超〜〜〜快晴!27度!
MixedJuiceツアーに入ってきました。
もともとeighterだったとはいえ、
ジャニーズのライブに行くことは8年ぶりくらいのこと。
ジャニーズWESTってすごい、を書き留めたくて
あふれる思いを文字に認めてます。
何がすごいって、
彼ら7人の「人が好きだ」という気持ち。
これをその場で、エネルギーとして、空気感として、温度として、私自身が感じ取ってしまったことは、物凄い衝撃的だった。
世間一般的に言う「ファンサ」というよりは
ジャス民に向けての「愛情表現」だと思った。
たまたま重岡くんが近くにいた瞬間があって、
わぁ…本物や…と見てたのだけれど、、
根っからのアイドルで、それに情熱(まっかっかの炎みたいなイメージでいる)がプラスされてる、とんでもない人だなと思った。
間違いなくセンターの人間だわ。
ブロック単位だと何百という人がいるにも関わらず、ひとりひとりの目を見ては、笑顔で応える。
瞬きするたびにふわぁっとその場が華やかになる。
そのやり取りを見てるだけで、私の幸せバロメーターが振り切って壊れそうだった。
ジャニーズのアイドルでも照れる人は照れるのだ、ということを錦戸担だった私は知っている。
あ、、でもそれはそれは照れるのがかわいくてね、その良さもあるのよ?とりあえずここでデレるのははしょるけど。
恐ろしいのは、ジャニーズWESTって、
7人とも照れが全くといっていいほどない。
ずっと、ほんまにずーーーっとにこにこして、まっすぐファンを見てる。
立ち見もありがとー!って言ってたけれど、
どんなに遠くても「目があった!」と錯覚させてくれるような気がした。
もう私もいい大人だから、社交辞令とかお世辞とか
そういうのはなんとなくわかってしまう。
でもジャニーズWESTはとにかく終始、
ファンとの気持ちのキャッチボールを楽しんでいた。
声が出せない今のご時世、
ありがとう!
おつかれさま!
来たよ!
やっと会えたなぁ!
好き!
大好き!
私にはこんな言葉が会場内に飛び交っているように見えていた。
DVDを見ているだけじゃわからない、
写っていないところでのジャニーズWESTの楽しそうにファンと対話する姿。
ファンのこと、ほんまに大好きやねんなぁ〜
って何度も何度も思った!
マルチアングル、外周歩いてるときにも
つけてくれないかな。
MCですごくいいなぁと思ったメンバーのやり取りの中で、各々替え歌したり、気づかれんように細工する遊びをしていて
「みんなライブ楽しんでんなぁ〜」
って照史くん。
楽しませてもらう私達以前に、本当にジャニーズWEST自身が楽しんでいるとわかって、
ますます好きになった、
そんな私のジャニーズWEST7人と
初めて出会えたライブの備忘録でした。
LUNGSを観劇して
100分間の会話。
おしゃべりはカロリー消費をするというけれど、まさかただ座って観劇しているだけなのに、こんなにもごりごりに削られるとは思いもしなかった。
いや、想像してたけど、軽々とそれを超えていった。
ここからはネタバレあり、個人的な話、私の考えを綴っていきます。あくまで、私の考えです。
ネタバレしたくない方は戻ってくださいね!
忘れないようにと書きなぐっているので、読みにくい構成なのはごめんなさい!
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女子大に入り、男性に負けたくないという気持ちや、それなりにタフな精神力を身に着けた私だけれど、いつの間にか、“就職して結婚してしばらくしたら妊娠して子供を持つ”という選択肢 しか なかった自分に気付かされた。
だから、Fの考える“持たない”理由が私を襲ってきたのは妊娠発覚直後の悪阻で苦しんでいるときだった。
すごく、すごく辛かったのを思い出した。
頭ではわかっていたつもりなのに。
“今じゃない”って何度思ったことか。
もう後戻りはできないのに、キャリアにブレーキがかかること、元気な子が生まれてくるのかな、もう好きな時に好きなだけ遊ぶとか無理だよね、ヒールもしばらくお預け?
毎日すごい数の嘔吐、そして重症妊娠悪阻で入退院を繰り返す。
誰が想像した?
天地がひっくり返ろうとも生むのは女性だ。
これはもう事実。性差だから。
初めて妊娠したFの複雑な心境になかなか寄り添えないMは、かなりリアルだったと思う。
ホルモンバランスの関係で、別人のようになってしまうことだってある。妊娠ってそういうこと。
ふたりで雑誌買って、エコー見て、ずっとハッピーみたいな描き方をするものもある中で、大きくなるお腹と、あんなに不安視していたのにそれでも育つあたたかい母性、でも妙なハイテンションと不安定な精神状態の描き方は、見事としか言いようがなかった。
また、感情的な女性を表現するに相応しかった、考えをすべて言葉にするというF。
Mも負けじと思い思いのことを面と向かって言い合って、とにかくずっと喧嘩しているふたり。
でもたまに、どちらからともなく甘える空気。
緩急のつけ方がとても心地よく、ぱっぱっと切り替わる場面を体現する神山くんと奥村さんは本当に凄かった。
そして幸せの絶頂から、流産。
妊娠が発覚した時に、Fへ対する思いをMが吐露する場面があったけれど、確か時計回りだった。
時間は進んでいる。
でもこの時の舞台装置は反時計回りに回転していて(たぶん)、舞台の時空が止まった感覚に陥った。
(経験がないから想像の域に過ぎないけれど、かなり辛かった…)
それから距離を置いてまた再会するふたり。
ここからは、一緒に行っていた友達(唯一無二の親友、何でも話せる。性格は全然似てないし趣味も違うけれど、お互い尊重できる稀有な存在)との議論も含めた感想になります。
私は公務員育休中二児の母(学歴中の中普通の家庭で夫のが賢い)、友達は待っているところのちょっとお休み中(高学歴理系の専門職バリキャリ、年下のかわいい夫あり)。
そんな感じ。
フィアンセがいるのになぜ?
本当にダメ男。くそ!なんで?!やめたらいいのに。
まぁ、これが私の率直な感想だった。
このまま友達に話したところ
“女性の度量か足りなかったと感じたよ”
と目からウロコの発言で、ここから先の結末がひっくり返った。
そう、MはFがいないとダメになる男だったし、FはMを支えることで生き生きとできる女だったのかもしれないからだ。
私にはない感覚で、それはもう、お互いが生まれた時から生きてきた過程、今置かれている状況、好きになる人、関わってきた人、受けてきた影響がモロに出た受け取り方の結果だった。
この舞台、MとFのどちらに共感できるかが、見る側の男女で固定されていないというのもかなり面白い。私はMにもFにも共感する部分があった。
それから、Fは身ごもってふたりの子を出産し、あっという間に大きくなり、Mが先立つ。
このシーン、体感3分。それなのに一際立体感のある演技で私は涙をぐっとこらえていた。
子供を持つか持たないか。
責任の在処はどこか。
環境問題に関して言及しているところがあった。
実は私自身、毎年最高気温を更新する夏を迎えるたびに、あぁ、私の子どもたちが30才になる頃、地球はどうなってるかな?お魚食べられるかな?暑すぎて生きられない世界になってないだろうか、と考える。割と本気で。
だから、子供が欲しかったのは私とパートナーのエゴだったのかな、と観劇前は本気で落ち込んだ。
観劇後に友達が
“結局は子供を持つことで素敵な人生が送れたのです、よかったね!で終わるよね”
と言った。そこしか落とし所がないんちゃうかなぁ。としかその時は言えなかった、ごめん。
私なりに色々考えた。
妊娠、出産は、女性しかできないことだし神秘的なことだと思うけれど、男女参画社会のこのご時世ではかなりデメリットもあるのが事実だ。
一方で、男性は結婚して妻がいることや子供がいることは、ある種ステータスのように見られることも多い。なんて理不尽な世界。
公園で遊んでいる、幼稚園や病院に連れて行く、ごはんを作る男性がどうしてもまだ目立つ世界。
これは世の中、とりわけ日本の仕組みに物申したい。
だからこそ、“子供には選挙に行かせよう!デモにも参加させよう!”とFが声高に言ったのではないかと思う。
埋められない男女差はあれど、寄り添おう声を上げようという警鐘かな、と。
何でもかんでも“女性に権利を”は私は少し違うと思っていて、男性がいないと子孫は残せないし、力仕事だって限界はある。
お互いに認め合って生きられる世界がいつか来ますように。
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環境問題、紛争、めまぐるしい経済成長、犯罪が蔓延る世の中に、考え抜いて、子供を持たないという結論を出すのは間違っていない。
舞台のセリフを借りるならば、受精するその時は意志のない“なにか”を生み出す責任を、自分でとるのだからそれは尊重すべきことなのだ。
それに、不妊治療やほしいと思う人達が、科学の力を借りて子供を持つということも、絶対に、絶対に間違っていない。
子供を“生むべきか”なのではなく“持つべきか”というテーマなのも大事だ。
生んだその先にある、親と子の長い旅まで想像できてこその“持つべきか”を、男女ともに深く考えさせられる。
生々しいセリフから感じられたように、生まれるまでの過程は奇跡の連続だ。
生まれてきた子供に、できるなら美しい世界だけを見せたい、誰もがきっとそう思う。
でもそうはできない世の中で、真実を見せ伝えることや、乗り越える術を教えること、守ること、Fのように何事も深く考えること、Mのように人間らしくその時その時を生きること。
一つでも多く、幸せを感じられる世界を作ろうと努力すること。
それを子供に伝えることこそが“持つ”選択をしたものへのひとつの責務なのだと思った。
最初から最後まで、本当は何も考えずに子供を持てたらいいのに…というFの思いを感じずにはいられなかった。
MとFの元に来てくれた命、二人が望む未来だったのなら、それが一番の幸せかもしれない。
うまくまとめられないけど私自身、子供を持つことがエゴじゃなかったとも知ってすごく救われた。
この舞台、導き出す答えも感じ方も千差万別で、先述したように、見た人の生きてきた過程で、どこに共感したり反論したくなったりするのかも違ってくる。
本当に面白くてめちゃくちゃ疲れる、現代戯曲の最高傑作たる所以はこういうことなのかもしれない。
色々書いたけれど、、、
あーぁ!人間ってMもFもそうじゃない人たちも、どうしようもなく面倒くさくて、とっても愛おしい生き物だな〜!
1秒前の過去ですら変えられない、だから一生懸命、人と関わりながら生きていこうと思った!
誰かと一緒に生きていくことが、楽しいと思える自分でいたい。
余談ですが。
照史くん演じた赤シャツは、言うべきことが言えずにこじれた誤解だらけの人生。どうか幸せになっていてほしい。
LUNGSはお互いに言いたいことを赤裸々に言い過ぎて、傷つけたり愛し合った人生。
なんだろうね、この巡り合わせは。
ここまで読んだ強者いるのかな?笑
ぜひ、語り合いたいです…
追記。
“案ずるより産むが易し”
とはよくできた言葉で、確かに生むことは命がけではあるが出産というゴールが決まっている。
心配事のほとんどは、やってみたら意外とどうってことなかった!できた!みたいな事もそれはよくあることで。
日々の生活の中で、何か一つの選択をした時点で、もうパラレルワールドは存在しない。
“運命”という言葉を使うなら、自分で選択したものはやってみる、やるしかないのだ、という強いメッセージ性のある舞台だったなぁ…と少し経ってから思う。
最後に、
神山くん、奥村さん、谷さん、素晴らしい舞台を作り上げてくださり、本当にありがとうございました✨どうか大千秋楽まで、けがなく走り抜けられますように。
息子4歳の誕生日に。
毎年、息子の生まれた日には必ず、生まれる瞬間のことを昨日のように思い出すのは、何年経っても変わらないのだろうなと思う。
二人目も出産し、なんともう4年以上の育休となる私。
ちょうどコロナ禍も相まって一時的に社会の繋がりから断絶されたという感覚を持つのではと懸念していた。でも実際は、ほとんど感じていないといっても過言ではない。
育休中に資格を取った方を見かけるたび、私には真似できないと思ってしまうし、ひれ伏すレベルで尊敬しかない。なぜって?
毎日家事と育児でヘトヘトで、残った時間は大好きなジャニーズWESTを愛でること以外に時間を費やせないからだ。
ただ、このジャニーズWESTを見ている時間がどれほど大事で、先述にあるとおり「社会との繋がりを感じる」ものであるかということが、重要なのだ。
子供の成長をサポートし見守る中で、自分はどこが成長したのかというのは見えにくいものだと思う。
でも私が仕事をお休みさせてもらっている間に、自信を持って成長できたと言える部分がある。
物事の見方、いいところを見つける力だ。
そしてそれが、推しを追いかけている時間だけで培われているのだから、もう全人類がジャニーズWESTを眺めていたらいいのに…とさえ思う。
ちょっと言いすぎかな、褒め過ぎかな…(笑)
でもやっぱり、日常的に「褒める」というポジティブな言葉を発信することは、自分に対してもポジティブになれるのは間違いない。
パパジャニ、リア突、メンバー各々が出ている番組。
注目すべきはワイプやテロップにのらないような言葉だったりする。彼らは失敗してしまったり、うまくいかなかった人に対するフォローの言葉がピカイチだ。
ただ番組を追いかけ、見て、キャッキャしている私だけれど、へぇー!こんな褒め方ありなんや!真似しよ!と思えるのは育休最大の収穫である。
息子4歳の誕生日に、全部が全部正しいかはわからないけれど、振り返る自分なりの育児と育休。
これからも良い言葉をより多くかけてあげられる人でいたいなぁと思う。
あとこれは余談だが、
「いいところを一つ言ってから怒る」
のは、子供に対してもめちゃめちゃ効果的なので、怒りが頂点に達しそうな時、いつも頭の片隅でのんちゃんが囁く。
なんでもいい。些細なことでいいから褒めてぎゅっとハグして、分かるまで伝える。
合っているかは分からないし人によるのだろうけれど、今の息子の対処法として、ここに記しておく。
これからも、自由でのびのび育ちますように!